流動解析ソフト 押出成形用シミュレーションプログラム バーチャル押出ラボシリーズ

活用事例

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複雑な異形ダイでも最短設計。

Q.上手く成形できる条件が限られ成形速度アップが困難。

バーチャル押出ラボでは、「クロスフロー最小化理論※1」により、多くの異形押出金型設計の実績を積んでいます。その手法を簡単な例で説明しましょう。下図のように単純な棒状の最終製品で片側が倍の厚みをもつ製品(幅20mm、高さ1mmと2mm)で考えてみます。

※1.クロスフロー最小化理論とは?
最終製品形状をダイ出口で切ったときの各面積に、その面積比に相当する流量比で材料を流すことにより異型ダイで難しい製品形状でも押し出せる。

■使用モジュール:異形押出ダイモジュール
■目的:成形速度アップを実現する、最適設計
■コスト:試作金型とテスト回数の削減

アプローチ

異形ダイ異形ダイ<図2>サンプル例
異形ダイ異形ダイ<図3>解析結果と波状不良

直感で想像できる通り、ここに押出機からそのままの材料を流しても簡単には狙った形状の製品はできません。押出機側から徐々に最終形状にしていく過程で、狭い流路では材料が流れにくいからです。
〈図2〉は、製品の高さの低い領域をS1、高い領域をS2とし、長いダイランドを通過して定常流になったとみなした硬質PVC(擬塑性体指数0.34)を流量10kg/hで流した解析結果です。
S1、S2の面積比1:2に対し、流量比は6.9:93.1となりました。
このまま成形すれば面積比に対して大量の材料が流れるS2の部分の材料が行き場を失い、波状の不良の原因となる可能性があります。

異形ダイ異形ダイ

そこで、解析数を減らすために、この3パラメータは固定してダイエントリー部の長さだけを色々変えて影響を調査しました(3次元解析で可能な粒子のトレースを使用)。下図は結果図の一部ですが、ダイエントリー部が長ければ長いほど粒子は蛇行していました。従って、3条件ではダイエントリー部の長さが10mmのものが粒子の蛇行が一番少なく、面積比と流量比のバランスのとれたダイとなっている事がわかります。

異形ダイ異形ダイ異形ダイ異形ダイ

粒子が蛇行しているダイでは仮にこの条件で成形できたとしても、材料・温度などがちょっとでも変わると下流に影響を与え成形不良の原因となります。つまり、ダイ設計時に蛇行が少なく、流量バランスのとれているダイは材料の変化、温度の変化に対して鈍感な成形しやすいダイということになります。粒子の蛇行を観察することが難しいため、上記の知見を実際の成形機で行うことは不可能な上、コストがかかります。
この点からもバーチャル押出ラボの「流動解析」は大きなメリットをもたらします。