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活用事例

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多層フィルムの成形安定性と伸張粘度。

■多層フィルムやシート特有の界面不良。最も効果的な対策とは?

多層成形品の境界面のムラやヨレ、曇りは解決が非常に難しい問題であり、実験回数も膨大な数に上ります。ここでは3層のフィードブロック式の共押出の解析例を紹介します。
このフィルム成形では材料の製造ロットが変わった後、中間層の材料に起因してフィルムが変形するトラブルが発生しました。

■使用モジュール:2D FEMモジュール
■目的:悪いのは材料か?金型か?多層成形特有のムラやヨレの原因と対策。
■コスト:試作金型と成形テストの大幅削減。多層ムラの論理的解釈。

アプローチ

app_case03.png多層フィルムの成形安定性中間層に異常が発生したフィルムと正常品の比較

このダイの場合は上下層の材料の流量・流路の関係で中間層の延伸率が非常に大きくトラブルの原因になっていました。
以前の生産ロットの材料では伸長粘度が低かったために問題はありませんでしたが、次のロットの材料は伸長粘度が高く、急激な延伸に対して不寛容であったと考えられます。
解決には中間層の流路を改善して、中間層の材料に急激な延伸がかからないようにし、材料のロットごとの伸長粘度の増減に鈍感にしました。

app_case03.png多層フィルムの成形安定性フィードブロックの解析app_case03.png多層フィルムの成形安定性改善例

app_case03.png多層フィルムの成形安定性ジグザグ不良と波状不良

米国SPE ANTECなどでは盛んに多層成形での界面の不安定流動の研究結果が報告されています。その中で指摘されていることが多層成形の不安定流動にはジグザグ型の高周波不良と波型の低周波不良がある事。
それぞれ原因は別とされ、波型不良は各層の合流部の流入形状、ジグザク型不良は多層ダイの出口の形状に非常に敏感であると発表されています。

app_case03.png多層フィルムの成形安定性トータルストレスによる界面の不安定挙動報告

先に述べたフィードブロック共押出の場合、不良は波状でした。
共押出に関する論文では構成方程式に伸長粘度を取り込めるLeonovモデルを使用し、応力分布図などで共押出しの界面の不安定流動を解析した例も散見されます。
ジグザグ型不良の原因はまだ解明途中ですが、分子量分布の広い材料のほうが、狭い材料よりジグザグ不良の出現するせん断応力値が低く、オートクレーブ重合では他の重合法に比較して分子量分布が広い。境界面にはひとつのせん断応力値は存在せず、総合応力(トータルストレス)の解析が必要ということが判明しています。流動解析を通じて、研究の最先端の技術を取り込み、成形不良の改善に活かすことが可能です。